「健(たける)!お待たせ。」

「あ、莉沙(りさ)!俺も今来たところだよ。」


俺は携帯をポケットの中に入れて莉沙の手を取り、人が賑わう通りへ向かう。


「暑いね~。日傘持ってくればよかったなー。」

「ね~。莉沙、お腹空いてる?」


「ううん、家出る前に食べてきちゃった。健は?」

「俺も。」


「そっか!じゃあこれから何する?」

「し○ちゃんの映画は?」


「あ!それいいね!お姉ちゃんが泣いたって言っててさ、観たかったんだ。」

「うん。じゃあチケット買いに行こう」


莉沙は俺の彼女で、もうすぐ付き合って3年になる。

最初のころはデートプランとか考えてたけど、最近のデートは合流場所と時間は決めるけどプランは無し。

その日の気分で二人で決める。


チケットを買って、上映時間までまだ時間があるからアイスを食べて莉沙との会話を楽しみながらのんびり過ごす。


「あ。そろそろ時間だね!」


莉沙の言葉で時計をみると15分前くらいだった。


「ほんとだ。行こう。」

「ポップコーンは何サイズにする?」


「う~ん…Lで!」

「味は?」


「「塩。」」

「あはは!健は塩味好きだもんね!予想的中~」


莉沙は楽しそうにニコニコと笑っている。

俺もつられて笑いながらプスっと莉沙の頬を刺した。



――――――――…




「グスっ…面白かったし感動したあ。」

「だね。」


「……」


俺も同意した瞬間目の淵を少し赤くした莉沙がじっとりと見てくる。


「え、なに?」

「本当に~?健泣いてないじゃん。」


「ああ。まあ、でも本当に感動したよ。」

「ふ~ん。」


「あ、莉沙。トイレ行ってくる。」

「あ、わたしも行く~。」


俺は莉沙から逃げるようにトイレに入った。
トイレから出て莉沙を探したけどまだ居なかったから、トイレからも見えるグッズ売り場に入った。


「あ、いたー。お待たせ。」

「ん。何か欲しいのある?」


「う~ん……いいや。」

「そっか。」


「うん!それよりご飯どうする?」

「莉沙お腹空いてるの?」


「空いてない!ポップコーンいっぱい食べたもん。」

「だよね。」


俺と莉沙は行く宛ても無く手を繋いで話しながらフラフラと歩いた。
そのまま何気なくゲーセンに入って取れそうなぬいぐるみを取って莉沙に渡す。


「わああ、かわいいー!健ありがとう!」

「いえいえ。お腹空いてきた?」


軽く抱き付いてくる莉沙を受け止めながら聞く。


「うん!ハンバーグ食べたい!」

「どこの?」


「びく○ン!」

「おけー」


莉沙とご飯を食べて終電間際まで散歩した。

莉沙とは地元が違うから駅の改札で別れる。


「莉沙。帰り気を付けてね。」

「うん!健もね!またね。」


ハグしてから莉沙が見えなくなるまで見送った。


俺も自宅へ帰り、寝る支度をしながら莉沙と家に着いた報告とかをLI○Eした。

ベッドで携帯をいじっていたら段々眠くなり俺はそのまま眠りに落ちていった。