そう言って、私が乗りやすいように腰をおろしてくれた。 今の私は、否定することも疲れたし何を言っても聞いてはくれないと思った。 だから素直に、私は金澤さんに背おってもらった。 私の心配をよそに金澤さんは私を軽がると持ち上げた。 金澤さんの背中は、お父さんよりも広くて暖かかった。 お父さんも暖かかったけど安心する背中だった。 金澤さんの背中は安心する背中じゃなくて、幸せを感じる背中だ。 .