でも、その誰もが、碧くんじゃない。



入り口近く、見える範囲に、碧くんはいない。



……え?



碧くん……。



もう……帰っちゃったのかな?



どうしよう……。



妃莉、間に合わなかった?



「うぅ……」



目に涙が浮かんできた。