「バ、カ。
もういいから……。
早く……。
碧のところに、行っておいで」



センパイは、手で口元を隠して、妃莉から顔をそむけた。



でも、声は……隠しきれていなかった。



センパイが、ちょっと泣いちゃってることを。



だって、センパイの声、ものすごく震えていたから。



妃莉から目をそむけたまま……。



センパイは、目じりをクイッと指でぬぐった。



それから妃莉を見て、満面の笑みで言った。