「……本当?」



「本当。
背中にもいないし、腕にもいないし。
髪の毛だって、ちゃんと見た。
もう、大丈夫」



碧くんは、妃莉の髪を撫でたあと、背中をぽふぽふっと撫でてくれた。



「うー。
妃莉、怖かったよー」



「はいはい、よしよし。
大丈夫。
つか、怖がりすぎ」



「……だって、妃莉、虫怖いもん」



碧くんの胸に、顔をこすりつける。