「……は?
虫?
どこに?」



「いたもん。
いたもん。
飛んできたもん!!
ぶーんって。
ぶーっていったもん!!」



「……えー?」



「ちゃんと見て!
妃莉の背中にくっついてない?
髪の毛とかも、ちゃんと見てっ」



わーわー言いながら、碧くんにしがみつく。



「大丈夫だって、妃莉。
もういないから」