公園の横を、無言で歩く碧くん。



そんな碧くんに、なんて話しかけようかと思った時……。



――ブーン……。



かすかなうなり声とともに、虫が飛んできた。



「キャーッ!!!
虫、虫、虫っ!!
碧くん、怖いよっ。
妃莉、虫キライ!!



とって。
とって。
碧くん、とって!!」



うぇーんと大声を出しながら、妃莉は、碧くんに抱きついた。