そう言って、片倉くんは、更衣室に向けて歩き出した。



と思ったら、顔だけ妃莉にチラッと向けた。



「もしかしてだけど。
あの人も……。
これから俺がしようとしていることと、同じことをしようとしてたのかもね」



「……え?」



「だったら、案外……。
イヤな人じゃないのかも。



ま、こんなの、ただの憶測だし。



あの人の場合、なにも考えてないっていうか……。
むしろ、妃莉ちゃんたちの邪魔しようとしてる可能性の方が高いけど……」