「あ、でも、妃莉……」



「ん?」



「小嶋センパイのジャージを探さなきゃなの」



そう言って、きょろきょろと目をこらしてみた。



片倉くんとお話しているうちに、だいぶ暗くなっちゃったから。



「見つかるかな~」



あごに手をあてて、しょんぼりする。



「あ、それなら大丈夫。
テニスコートの近くで……。
妃莉ちゃんがかけだしたときに、落としたジャージを……。
小嶋センパイ、自分でちゃんと拾ってたから」