「あのさ。
妃莉ちゃん、わかってる?
男の家に行くってことが、どういうことか」



小嶋センパイからずいぶん離れ……駅に着く直前。



やっと、翠くんが妃莉の腕を離してくれた。



でも口調は……まだとっても怒っている感じ。



「なんで、家に行こうとするかな~。
そんなの、危ないとか考えなかった?



……っつーか。
妃莉ちゃんって、碧くんのことが好きなんじゃないの?
それとも、朝陽くんのことが好きなの?」



妃莉がしゃべる隙もないほどの勢いで、話し続ける。