お前、可愛すぎて困るんだよ!

それなのに、ついつい言っちゃった。


自分のこと、“妃莉”って。



いまさらだけど、両手で口元を押さえた。



すると……。



「やば~い!
今、ズキュン!ってした!!」



川瀬さんは、身を乗り出して、妃莉の腕をつかんだ。



「可愛すぎじゃん!
自分呼び。
あたしも、妃莉ちゃんくらい可愛かったら、言いたかった!
葵って」



「え、え……。
妃莉……引かれてないの?」