「うっせー。
文句なら、碧くんに言えよ~」



「はぁ?
なんで、碧~?」



――うん。
なんで、碧くんの名前が出てくるんだろう?



きょとんと首をかしげた。



あたしとおじさんとおばさんの3人で。



そこに、翠くんが爆弾を落とした。



「だって、碧くんがうるさいもん。
『妃莉は、俺のだから、手を出すな!!』って。
だから、オレは、諦めたの!!」



その瞬間……。



「翠もオヤジも……。
いい加減にしとけよ。
入学式、遅れんだろ」



碧くんのピリッと鋭い声がした。