「小嶋センパイっ。 離してくださいっ」 引っ張られた状態のまま、学校を出た。 「妃莉、帰りたいから。 カバン、返してくださいっ」 駅に向かう道を歩くセンパイに言った。 でも、センパイは……。 「やーだねっ」 と、軽く舌を出して笑った。 「手ぇ離したり。 カバン返したりしたら、逃げようとするでしょ? 妃莉ちゃん」