そう思ったけど……。



どういうわけか、片倉くんは、口をむにゅむにゅさせて、なにか言いたそうにしている。



だから、席に向かいながら聞いてみた。



「それが、どうかしたの?」



「んー。
っつーか、妃莉ちゃんってさ……」



もごもごと……歯切れの悪い片倉くん。



珍しいな。



いつも、はっきりしてるのに。



「あのー。
なんつーか、さ。
ほら……」