慌てる妃莉なんか、まったく気にしない小嶋センパイ。



断る間もなく、「はい、でーきた♪」と、満面の笑みを浮かべた。



えっと……。



あの……。



これは……。



お礼を言った方がいいのかな?



ぼんやりたたずむ妃莉の頭に、ぽんと優しく手を乗せる小嶋センパイ。



「ネクタイ結んでほしーときは、いつでも言って。
もちろん、ほどいてほしーときも、大歓迎!」



そう言いながら、教室に入っていった。