「んー。
徐々に、大人になるしかないんじゃね?」



「……え?」



「そうすれば。
碧くんの気持ちもわかるって」



「碧くんの気持ち……?」



「そう。
男にだって、いろいろあんだよ。



だから、妃莉ちゃん、覚えておいて。
無邪気すぎるのも、酷だってこと」



スッと片手をあげて、翠くんは前を向いて、歩きだした。