翠くんは、碧くんの部屋のドアを見つめた。



「その格好でしょ。
……ってことは――。
どうせ、朝から碧くんのベッドにもぐりこんじゃたんでしょ?
妃莉ちゃん」



妃莉の手を引っ張る翠くん。



廊下を移動しながら、チラッと後ろの妃莉を振り向く。



「……っ。
な、な、な……。
なんでわかるの?
翠くん……。
もしかして、見てた!?」



斜め前を歩く翠くんに、びっくりして、聞いちゃった。



でも翠くんは、フッと小さく笑って、首を横に数回振った。