「わぁ~~♡♡ 未来の部屋…懐かしいね~~!」 「俺も久々に入ったよ。 ずっと帰ってきてなかったから。」 梨花は部屋の中をキョロキョロと見回しながら、机の上に置いてあるピンク色のシュシュと、眼鏡にソッと触れた。 「これ私のだね……。 もう捨てられちゃったと思ってた。」 梨花の栗色の長い髪は、邪魔になるからと言って、いつもこのピンクのシュシュで纏められていた。 俺の家と、梨花の家で交互に泊まっていたせいか、俺のこの部屋は10年経った今でも、梨花の物があちらこちらに置いてある。