「…はぁ…、はぁ…」

走り疲れたオレは、素早く木陰に隠れると、身体を低く伏せて周囲の様子を伺った。

回り中どこを見渡しても高く繁った木と、草と、名前も知らない小さな虫達だらけ。

遠くの方で銃声が聞こえる。

どうやら、敵味方いりみだり撃ちあっているようだ。

顔に蝿がとまる。
まだオレは死んでないぞ!とまるなら死んだ奴の所へ行ってくれ!
そう思いながら、音をたてないように静かに蝿を掃う。