窓の外で移り行く景色が
本当に綺麗に見える。



『修斗さん!
あれ富士山ですよね!
絶対富士山!』




「…うっせぇな。
だからなんだよ。」



子供みたいに大はしゃぎの私を迷惑そうに見る修斗さん。





なんとなく触れているお互いの肩が恥ずかしく感じたりもしたけど。




これからの温泉も楽しみだし

修斗さんと同じ部屋なんて…


気分が高まらないはずが無かった。






『楽しみだな…』


「…ん、」




こうやって、さりげなく重ねてくれる手が好き。
その後にギュって握ってくれる所も。




桜ちゃんに見えてないかなってヒヤヒヤしている自分と

見せつけちゃいたい、なんて考えちゃう自分がいて。






『修斗さん…』





最近お預けだった唇を待つと






「…色々飢えてんじゃん。」






低く耳元で囁いた後に
柔らかい感覚が重なった。






『…んっ…はぁっ…』






思っていた以上の熱いキスに
体が着いて行くのに精いっぱいで。

体の芯が熱くなるのを感じた。






『…これ以上はっ
ダメです…』





俯きながら少し名残惜しい唇を離すと




「…ムリ。
可愛すぎんだよ」





びっくりしちゃう様な甘い一言と共に
またキスが降ってきた。





抵抗しなくなっちゃう私は意思が弱いね。