「全員集まったね!」

元気な伊藤さんに対し


「…俺まだ眠いんだけど。」

眠い松原さんとその他のみんなで迎えた


旅行当日。



幸いお天気にも恵まれて
もう冬なのに日差しが眩しすぎるくらい。





「一ノ瀬部長!
お隣座っていいですか?」




朝から最高の笑顔で修斗さんにベッタリの桜ちゃんもある意味眩しすぎる。




「…花凛さんは!
梶野さんとお隣とかいいと思いますよね♪」





そうやって
自分に都合いいようにペア作っちゃうんだから。


また溜め息が零れそうになった時、





「…俺花凛と隣はごめんだわ笑

一ノ瀬部長は花凛とでいいんじゃない?部屋も同じなんだから。」





梶野さんだけは…
やっぱり私の気持ちをすくってくれた。






「そうだな。
桜は麻木の隣でいいだろ。」



「えーっ泣」




「…なんか俺勝手に被害者なんだけど笑」




最後の麻木さんの一言には吹き出してしまったけれど



口を膨らます桜ちゃんの隣で修斗さんは私に小さく笑ってみせた。





『バス旅行、久しぶりだなー!
楽しみですね!』



隣でしっかりシートベルトを締める修斗さんの隣でウッキウキの私。




「……」




そんな私とは真逆に
修斗さんはあまり楽しそうな表情じゃなかった。




『どうしました?』





少し心配になって小声で訪ねてみると





「…車酔い、すんだよ。」





下を向いて小さく呟く修斗さん。




『大丈夫ですか?
酔い止めとか飲みました?』





「飲んだから大丈夫だとは思うけど
…肩貸して。」






そう言った修斗さんの頭が
私の肩に寄りかかった。




ほんのり香るシャンプーの香りが
ドキドキの材料。