私の上司

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「花凛さん、
まだまだ分からなくて迷惑かけると思いますがよろしくお願いします。」





私の向かいのデスクに決まった彼女は少し緊張している様子で頭を下げた。





『こちらこそ。
よろしくね。』






笑って桜ちゃんを見ると安心したように彼女からも笑顔が零れた。






仕事は凄く真面目に取り組んでくれるし好感が持てた。


当時の私とは大違いなくらいで。






「花凛さん
コーヒー置いておきますね。」




にこっと笑いながらコーヒーを置いてくれる彼女に癒されてるのは私だけじゃないはず。




オフィスのおじさん達は彼女に夢中。




女の子らしい彼女が魅力的に見えるのには充分頷けるんだけどね。









『…修斗さんもやっぱり桜ちゃんみたいな女の子魅力的だと思いますか?』




お昼休みに二人でランチをしながら尋ねてみた。




「まあ…モテそうだよな。」





修斗さんはさほど興味もなさそうに空返事。





『…なんで私なんかと付き合ってるんですか?
なんか不思議で。』





真顔でそんな事を尋ねてみると
私の顔を見て口角を上げた。





「そういう飾らないとこ。」





『…え、』




「もう今となっちゃ
"どうして"とか分からないけどさ、
花凛以上に魅力的な女なんていないから。」








軽く、そんなに嬉しい事を言ってくれるんだから




「…なんだよ笑」





にやけちゃってまともに顔が見れなかった。