私の上司







短いキスが終わって瞳を開けると
指で軽く唇に触れる修斗さんがみえた。





「…なんかさ
襲いたくてたまんないんだけど。」





『修斗さん!』





どうせこれも冗談だって笑われるのかもしれないけれど





「…花凛可愛い。」




そう小さく囁いた修斗さんは
私の腕を引いて廊下に出た。







廊下も時々人は通るけれど
オフィスよりは全然マシな方。




ぎゅっと後ろから抱きしめてくれる彼に抵抗なんてしないで済むし。







するとだんだん修斗さんの手が肩から下に降りてきて

胸の膨らみに触れた。





『きゃっ
修斗さん、ダメですよ!絶対に…』





「うるせぇよ。
黙ってろ。」







膨らみに触れた大きな手は
それを優しく揉んでいって





オフィスから聞こえる同僚たちの声が嫌なほど近く感じた。




『…んっ…はぁっ』





どうしても漏れてしまう吐息が甘くて。





「オフィスの廊下とか…
いつも以上に興奮しねぇ?」







修斗さんの低めのトーンが体を熱くする。





『…んんっ…あっ』







もうこの波に飲まれてもいいかな、
そう思いかけた時、






「花凛ちゃん何処行ったんだろ。」





麻木さんの声が私を夢から覚ました。






『…私、仕事戻ります!』






修斗さんの腕の中から抜け出すのは
少し胸が痛んだけれど





…何してんの私






さっきの事を思い出すと赤面せずにはいられなかった。