私の上司








告白なんて、
私にとっては夢のような事で。

されたらどんなに嬉しくて…
素敵な事が待ってるんだろう。




学生時代の私の妄想の世界だけに存在された異性からの告白。






でもそれは…
気持ちが重なっていないと

冷たくて、
相手を傷つけてしまう物だと知った。







修斗さんとは付き合い直せる事にはなったけれど
梶野さんにその事を伝えてなければならない。






今日の天気は私の気持ちをバカにするように晴れ。




修斗さんに会えると思うと
当然私の気持ちも晴れるけど



上司として尊敬している梶野さんに
自分の気持ちを伝えるのは胸が痛む。






だって想像出来ちゃうから…

優しくされちゃうのが。








…知ってるの。





コーヒーを持って行った出勤初日。


梶野さんはあからさまに不味そうに私が入れたコーヒーを口にしたけど




全部…飲み切ってくれて

聞こえないくらい小さな声で「ありがとう」と伝えてくれた事。





修斗さんと急に付き合い出した日も
誰よりも的確なアドバイスをくれて

大丈夫って言ってくれた事。






"つけまつげ"なんて恥ずかしいモノに挑戦してしまった日も


誰よりも先に気付いてくれた。





…貴方の優しさ、

全部知ってる。






多分、修斗さんと出会っていなければ

私は梶野さんを好きになってたと思うの。




だって本当に
気持ちが揺れた日もあったし。







真剣に資料をまとめる真剣な姿、


お昼に同僚の方達とランチをする楽しそうな顔。






冷たい言葉が多かったけど
その裏には

私には勿体無いくらいの彼の気遣いがあったね。