「…何食う?」
メニューをめくりながら
少し上目遣いでこちらを見られたら
…ドキドキなんてしちゃダメなのに。
ぎゅっと心が狭くなる気がした
『…パスタにします。』
なるべくいつも通りを演じながら
メニューに指を指すと
「…俺も同じの頼もうとしてた(笑)」
びっくりしたように私を見て
いたずらっぽく笑う顔。
『好みとか合うんですかね!』
少し嬉しくって梶野さんを見ると
「かもね。」
修斗さんとはまた違う
爽やかな優しい気持ちをくれた。
「…飲み物はコーヒーでいい?」
『はい。』
きっと修斗さんがいなければ
私なんてコロッと堕とされてるんだろうな…
この冷たいように見えて
本当は凄く優しい
彼に。
しばらくは
自分の心配なんて忘れちゃうくらい
会社の愚痴とか
趣味の話とか
楽しい時間が過ごせた。
ただお話したかっただけ?
なんて甘い考えが脳裏をよぎった直後、
「…話、なんですけどね?」
梶野さんの顔色がガラリと変わって
私の胸も鼓動を早くするのを感じた。

