私の上司





『おはようございます。』





朝、会社に出勤してからも
なんとなく私の気持ちはモヤモヤしていた。





隣の松本さんにちらりと視線を向けると
急に目が合っちゃうなんて。




松「どうしたの?笑」




爽やかに対応出来ちゃうのが凄いけど。





少し、辺りを憚る声で








『あの…二宮さんって彼女いるの?』








やっぱり、聞かずにはいられない。





お仕事のお話だったらいつでも出来るはずだし。

わざわざお昼休みの時間に話す事なんて…





「いないと思うけど?」



さらりと返ってきてしまった答えに私の心配は大きくなる。




『そっか…』




「なんだよ笑
もしかして、花凛ちゃん梶野さんの事好きなの?」




『ちっ違うよ!!そんな訳ないでしょ!』




誤解を解こうと必死な私を見て
麻木さんは冗談だよと笑った。





「愛する一ノ瀬部長がいるもんな?」




そんな言葉ですぐに赤面しちゃう私がたまらなく恥ずかしい。







「花凛、これ次の会議の資料だから。
目、通しとけよ」



『あっはい…』





このタイミングで来ちゃうんだから
まともに目も見れなかった。



そんな私を覗きこんで眉をひそめる修斗さん。





「…なんかいつもよりブスだぞ?」





『…はっ?!』





想像もしていなかった毒舌に耳を疑う。





「いつもブスですよ。」






振り返ると梶野さんが意地悪く笑って私を見た。