私の上司




そんな風に

ただがむしゃらに仕事をしていた日々の中で…





「一ノ瀬部長、花凛ちゃんに告白かよー」

と、あまり嘘をつかない伊藤さんが言ったら


「しかもかなり強引。
どんだけ惚れてんだろうね。」


と、修斗さんとすこし仲がイイ梶野さんが言っていた



耳に入ってきてしまった言葉。



修斗さんが…と、ショックだった



嘘だって信じていたかった







どこまでの関係なの?






私に重ねて貰った唇は…


逞しい腕は…






想像しては

悔しくって涙が頬を伝って。







「私と一ノ瀬部長、お付き合いしてるんです。」






そんな嘘を


醜い嘘を

ついてしまったのは私。






見るだけで分かってしまうような



純粋な瞳が
私を写して揺れた




きっと
この顔を修斗さんが見たら直ぐにでも抱きしめるんでしょうね





「愛してる」





っていう
私に向けられていた言葉さえも


もう今は花凛さんの物。








修斗さんは分かり易いから




花凛さんの事がどの位好きか

手に取るように分かって。







嫉妬する顔




赤らめた顔を隠す手





絶対に修斗さんだったら飾らないような人形も…








彼女が全てきっかけなの。








私の嘘がすぐにバレる事くらい想像できる






冷たい瞳で
私を睨む貴方が想像できる





ただ一つだけ

貴方に知ってもらいたい









仕事が一番大切、

そんな事一度も考えなかったんだから。*