私の上司











やがてバスローブ姿の修斗さんが浴室から出てきて


私に同じバスローブを手渡した。







「これ着ろ。」



『はい…』





「どうしたんだよ、暗い顔して
ブスが増すぞ?」





ふっと笑いながら髪を撫でてくれる彼を見ていると


ふいに唇を重ねたくなって下を向いた。








"キスしたい"


なんて、もちろん私から言えないし。








言葉で伝える事が難しいなら



…行動で、なんて考えて






意を決して上を向くと


そっと
瞳を閉じてみた。









静かな時間が流れて
不安なまま、ふるりと震えてしまう瞼。






やっぱり無理かな?




そんな弱気な自分が顔を出して瞳を開けようとすると







「…ばか」






そんな言葉が耳に届いて

唇には柔らかい物が重なった。






『…んっ…ぁっ』




口内を修斗さんの舌が嫌らしく動いて




ピチャ、と水温が室内に響いて
私の体温が上がる







修斗さんの舌から感じるビールの香りも
私の熱を知るように




私の口内で優しく漂った







『…修斗さん…愛してます』







一旦離れた唇を動かして

修斗さんを見ると






『…んっ』






何も言葉は返ってこないまま

また甘いキスが続いた