私の上司




鍵を開けて…


部屋の中を覗いた修斗さんは口角をあげた。





「ダブルベッド。
夜にはうってつけだな。」




私の背中を押す修斗さんを不安げに見つめながら入った部屋は

どこか甘い香りがした。





「風呂、どっちから入る?
それとも…一緒に入る?」





『な、何言ってるんですか!
一人で入ります!』





「あっそ。」






つまらなそうな顔でベッドに腰を下ろす彼を見ると


想像せずにはいられなくて
なんとなく顔が赤くなるのが分かった。






「じゃあ俺から入るからビールでも飲んで待ってろ。」





冷蔵庫を開けて渡してくれた冷たいビールを頬に当てた。





『…冷たい。』



火照った頬を冷やす私を見た修斗さんが一瞬不安そうな顔を見せて。




「熱でもあんの?」




『え?あっ無いですよ大丈夫です。』




笑って見せると修斗さんの手のひらが私の頬を触った。




それだけでドキドキして体温上がっちゃうのに。





「…やっぱ熱い。」





『修斗さんのせい。』







少し膨れてみると
修斗さんの顔も少し赤くなって見えた。





「…風呂入ってくる。」







足速に浴室に消えてしまった彼の温もりを探して

また頬に触れた。