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「大丈夫？顔死んでるけど。」





クスって笑いながら私の頬を引っ張る松原さん。



少しムッとした表情を向けながら



『山内さんって誰ですか？』



興味本意で尋ねてみた。




『あー山内椿ね。』





『椿さんっていうんですね…」




コーヒーを一口飲んでから溜息をつく松原さん。





「美人だし何でも出来るから一ノ瀬部長にも社内の皆からも好かれてるけど

…俺は嫌い。」






サラッと嫌いと言ってニコッと微笑む彼は少し怖い。






『どうして嫌いなんですか？』





私の質問にうーんと唸ってからくるっと椅子を回転させると


少しいたずらっぽい笑顔で私を指差した。





「花凛ちゃんも嫌いでしょ。」





『えっ？！…そんな事ないですよ！
第一まだ全然お話した事ないですし…』





「んじゃあ話してみれば？
山内、一ノ瀬部長と関わる事多いみたいだから友達にしときゃ便利かもよ(笑)」





『便利って…』





ふっと笑いながら廊下を指差す松原さんに頭を下げて、

廊下の山内さんの後ろ姿を追いかけた。






『山内さんっ！』






「…はい？」





『あの…私、宮田花凛です。
先程はお邪魔してしまい申し訳ありませんでした。』





そんな私を見て山内さんの口角がキュッと上がった。





「いえいえ。
お邪魔してしまったのは私の方ですし。」





笑った顔も凄く素敵で、
モデルさんのような山内さんに見惚れていると






「…一ノ瀬部長とはどんな関係なんですか？」





いきなりの質問に体が固まったような気がした。






『えっと私は…




「私、一ノ瀬部長とお付き合いしてるんです。」





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