私の上司

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『出来ました？』



「ん。」




二つのハンバーグをフライパンにのせると聞こえてくる食欲をそそる音。





ハンバーグをフライ返しで返すのも上手くいって私はご機嫌(笑)





後ろを振り返ると一ノ瀬さんはご飯をお皿によそってくれていた。




ネクタイを外したシャツから覗く首筋から鎖骨までのラインが凄く綺麗で。






「なに見惚れてんだよ。」






はっと我に返った頃には一ノ瀬さんに睨まれていた。




そんな顔されても全然嫌にならなくなっちゃったのに。






『出来ましたよー！
美味しそう。』






二つのお皿をテーブルに並べるとなんだが幸せな気持ち。





二人で作ったハンバーグはどんな味だろう…






そっと手を合わせてからハート型のハンバーグにフォークをさした。







口にいれたハンバーグはいつもの何倍も美味しく感じて

思わず一ノ瀬さんを見てしまった。








「…んだよ。そんなに美味いかブタ。」






私を見て笑いながらハンバーグを頬張る彼が眩しく感じた。


ここで少しだけ意地悪。







『私さっき一ノ瀬さんの本棚を見てて。』






「……」





明らかに顔に焦りの色が浮き出る彼は少しだけ可愛い。






「…何みたんだよ。」






『真面目な本ばっかりで面白くありませんでしたっ！』






少し冗談っぽく笑ってみせると一ノ瀬さんからは安心の溜息が漏れた。




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