ヤンキーらしく、メンチを切るように、ニラみながら瑞希お兄ちゃんは言った。
「あんたが、あんたの都合で俺をどうこうしようってんなら、まだ我慢できる。けど、凛に何かしやがったら、この店クビになる覚悟で、テメーを社会的に抹殺する・・・!」
「お、お兄ちゃん!?」
(何言ってるの!?)
「な、なんに言ってるんですか、お兄ちゃん!?そんなことしたら、バリスタの勉強がー!」
「凛を泣かせるよりましだ。諦めるわけでもねぇ。」
「瑞希お兄ちゃん・・・!」
「・・・・瑞希、本気か・・・・!?」
瑞希お兄ちゃんの返事に、私だけでなく田渕も聞き返す。
それに瑞希お兄ちゃんは、冷たい表情で告げた。
「俺を好きだとか言ってる割には、そんなこともわからねぇのか?」
「くっ!?」
その問いで、しかめっ面になる田渕。
そんな相手に、瑞希お兄ちゃんはさらに言った。
「凛はこの世でたった一人の大事な弟、俺の可愛い一番の存在だ。俺の守ってるもんを奪おう、壊そうってんなら、道ずれ上等でテメーをブッ飛ばす。わかったら今すぐ俺の目の前から消え失せろっ!!」
「っ・・・・!」
「瑞希お兄ちゃん・・・・!」
田渕の顔がゆがみ、私の目元がゆるむ。
(そ・・・そこまで私のことを・・・・!?)
そんなに私を愛してくれてるなんて・・・女の子として嬉しい!
〔★弟としてである★〕
こうして店内は、両者のにらみ合いが続いた。
先に口を開いたのは――――――――
スケベ男の方だった。
「帰るぞ。」
「「社長!?」」
持ち上げていた椅子を静かにおろす。
そして私達に背を向けると、すたすたと歩き始める。
(・・・・・・終わった?)
諦めてくれた?
あれだけハッキリと、みんなの前で言われたから、もう来ないよね?
「今日のところは、引き上げてやる。また来るぜ、瑞希。」
「また来るんですか!?」
〔★諦めてなかった★〕


