彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




遅れてやってきた烈司さんは、涼しい顔でこちらへとやってくる。




「ここに来る途中で、仕事の電話がきてさー・・・なんだ、まだオーダーしてねぇーのか?」




にこやかに話しながら、お客さんの間を通過する烈司さん。

そして―――――――





「よおぉ、社長。ダンベル運動なら、スポーツジムでしろよな?」





田渕の前でわざわざ立ち止まり、目だけで相手を見る。

ゾッとするような目つき。




「宗方・・・・まだ、瑞希の周りをうろついてやがるのか・・・!?」

「俺と瑞希は『家族』だ。身内にからんでくるのは、俺にからんでくんのと同じだぜ・・・!?」

「長生きできないぞ、ガキ・・・・!」

「あんたも、瑞希をあきらめれば長く生きれるぜ、社長―?これ以上瑞希に嫌われたくないなら、凛に妙な真似しないことだな。」

「なんだと!?」


「残念だったな、社長さん。」




顔をしかめる相手にそう言うと、止めた歩みを進めながら言った。





「瑞希はそこにいる凛ちゃんにご執心(しゅうしん)だよ。いい加減、フラれたって諦めろ。」

「なっ・・・・!?」


(わ、私!?)





いや、好かれてるとは聞いてるけど、それはいくらなんでも図々しいような~!?




どうしようと思っていたら、強く引き寄せられた。





「むう!?」





呼吸できないぐらい、ギュッと瑞希お兄ちゃんに抱きしめられる。






「烈司の言う通りだ。」

「み、瑞希お兄ちゃん・・・!?」





抱きしめられただけならいい。

そのまま引きずられるように、抱えられながら前進された。





(え!?え!?ええー!?)



田渕社長の元へと。





「バレちまったらしょうがねぇ。ご覧の通り、凛は俺の弟。大事な家族だ。」

「瑞希っ!?」






それまでの敬語がなくなり、荒々しさのある語尾で瑞希お兄ちゃんは言う。




〔★瑞希は接客モードを解除した★〕