「瑞希、そのガキは手癖が悪いな?」
田渕は、私を見ることなく、瑞希お兄ちゃんに言う。
そう言われた時、私の背中は、瑞希お兄ちゃんの胸板とくっついていた。
言ってしまえば、瑞希お兄ちゃんに後ろから抱きしめられてる状態・・・ムフフフ♪
〔★喜んでる場合ではない★〕
「いや、足が悪いといえばいいか?悪い足は折られても文句は言えない。」
「・・・なんですか、それ?」
「まさか、あれを当たっただけで済まそうなんて思ってないだろうな、瑞希?」
ニヤリと笑うと、瑞希お兄ちゃんの口元へと手を伸ばす。
パン!!
だから、払った。
「っ!?」
「凛!?」
「あ、あのガキ!」
「メニュー表で社長の手を叩きやがった!?」
瑞希お兄ちゃんが持っていたメニュー表で、汚い手を追い払った。
それでビビる田渕の部下2人と、ざわざわし始める店内。
これでやっと、おじさんが私を見る。
目があったけど、私はそらした。
獅子島さんみたいに、冷たい態度で無視した。
それで田渕が低く唸る。
「小僧・・・!?」
「うわぁーい♪コーヒーのメニューがいっぱいあるぅ~」
「り、凛!?」
「ねぇねぇ、エンジェル様のお勧めはなぁーに?僕、迷っちゃうよぉ~」
完全シカト。
メニュー表を開き、猫のように瑞希お兄ちゃんへとすり寄りながら聞く。
モニカちゃんの様に愛嬌をふりまく。
「どれがいいか教えて~お勧めは?」
「お勧めって・・・・凛・・・・」
「せっかく来たんだから、あなたに選んでほしいなぁ~ねぇ、だめですかー?」
「お前って奴は・・・・」
これに彼は、戸惑いながら言う。
「・・・・夜も遅いから、カフェインが軽めのが良いかな。ココアにしようか?」
「ココアでも、可愛いイラスト描いてくれますかぁ~?」
「なにを描いてほしいんだ?」
「えーとね、えーとね!」
「瑞希っ!!」
2人の会話を遮る声が響く。
メニュー越しに、声がした方をチラ見する。
「そのガキを離せ・・・・!」
(わーお・・・・)
血走った目で、私を見る姿。
(まるで、嫉妬されてるみたい・・・)
〔★だれが見てもそう思う★〕


