彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





「凛が顔のことでいじめられてんだったら、凛一人じゃどうにもならないなら俺に言え。」

「え?」

「ガキの喧嘩に親が口を出すなっていうけど、それがいじめなら違うだろう?」





そう語る彼の目は、龍星軍総長のもの。

厳しくも、優しさを秘めた瞳。





「俺ぁ多勢に無勢が大嫌いだからよぉ・・・!凛、恥ずかしがったり、遠慮することはねぇ。嫌なら俺に話せ。お兄ちゃんとして、ゴミ共に文句言ってやる。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・・」

「隠してもわかるんだぞ、凛?我慢してる顔とかさ・・・・」





それで泣きそうになる。

言いたくなる。






(いじめのこともだけど・・・・・・・・・!)






彼をだますことになった大きなヒミツのこと。






(私本当は・・・・女の子なんだよ・・・・!?)





なぜあの時、『女の子』だと言わなかったのか。

一時の感情と目先の欲を優先して、男じゃないと否定しなかった

そうすれば、彼に助けてもらえたのに。






(・・・・・・・・・助けてもらえた?)




「だめだよ。」

「凛?」





一瞬、頭をよぎった思いを恥じる。







(だめだよ、それ・・・・虫がよすぎる・・・・!)






そう思ったから、本気で心配してくれる大人に向かって伝えた。






「自分の始末は自分でしなきゃ・・・・自分の問題だから・・・・」






簡単に頼っちゃダメ。


すぐに甘えちゃダメ。





「まだ、まだ・・・・負けたわけじゃない。まだ、巻き返しは出来るから、何とかできる余裕があるか・・・・!」

「凛。」

「だからね、お兄ちゃん!本当に僕がダメになった時に――――――――・・・・!今はまだ、そうじゃないから。僕は僕の問題から、逃げちゃダメだから・・・・!」

「そうか・・・。」





うまくつながってない言葉。

それでも彼は、静かにうなずいてくれた。