彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





迷った末、一番誤魔化せそうな理由を口にした。




「だ、だって・・・・瑞希お兄ちゃん、僕の顔嫌いじゃないって、言ったから・・・!」

「顔?」

「お、お兄ちゃんと二人だけだし・・・・瑞希お兄ちゃんになら、素顔の自分でいても笑われないかなって・・・・!」


「笑うか、馬鹿。」




その言葉に合わせて、ギュッと抱きしめられた。





(わわわ!瑞希お兄ちゃんの胸に抱きしめられてる~!?)





入院患者用の服を着ているため、いつもより余計に瑞希お兄ちゃんの肌の感触が伝わる。

ドキドキが増した。





「俺は凛を笑わない。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・?」





浮かれる私とは逆に、瑞希お兄ちゃんの声は厳しい。

気になり、そっと見上げる。

表情を見れば――――――――――






「凛は、おかしいことしてないからだ。」






真面目な顔で、私を見ながらそう言ってくれた。





「凛、お前学校どうしてる?」

「え?」

「大河や高千穂は、よく俺に話してくる。けど、凛からは一度も聞いてない。」

「そ、それは――――――」


(言えるわけないよ!)






今の私は、瑞希お兄ちゃんのために存在する人間。

『菅原凛』はいても、『凛道蓮』はいない。

学校の話なんて、できるはずがない!!





「凛・・・・お前の名前だけど・・・・」

「な、名前が何か!?」





もうウソがばれたのかと思う。

怯える私に、彼は小さく言った。





「凛・・・・苗字が違うんじゃないか?」


(やっぱり!)

バレた!?



「『凛道』は昔の名前で・・・・今は、どっちかの親の苗字じゃないのか?」

「へ?」

「あ、いや!離婚はないよな・・・えっと、再婚とか?正直な話、どうなんだよ?」

「・・・・なぜ、そう思われますか?」




なんかまた、違う方向へ進んでいる気がする。

そんな思いで聞けば、気まずそうな顔で言われた。





「『凛道』って言えば、珍しい名前だろう?どの高校にも、中学にも・・・・該当者がいないって伊織が・・・」

「調べたんですか!?」

「把握してた方がいいって、言うからよー」



(ホント怖いな、あの眼鏡!)



〔★伊織への恐怖が増した★〕