内心ほっとしていれば、瞬きをしながら瑞希お兄ちゃんが言う。
「・・・・・・あれ?凛、なにしてんだ?」
「え!?」
「なんだこれ・・・?どーなってんだ?」
自分と私を見ながら、彼が顔をしかめる。
疑問が出て当然だろう。
背中に手を回されているとはいえ、今の私は瑞希お兄ちゃんに覆いかぶさっているのだから。
〔★不自然な姿勢だ★〕
「なんで凛が、俺の上にいるんだ・・・・?」
そうつぶやく瑞希お兄ちゃんのみけんに、しわが出来る。
(怒られる!?)
瞬時にそう判断し、全力でそれを阻止するために動く。
「す、すすすす、すみません!瑞希お兄ちゃんが心配で、見ていたらこのような状態に!?」
〔★凛は必死で誤魔化している★〕
私の嘘に、瑞希お兄ちゃんがますます不審そうな顔になる。
「はあ?なんでそれで、俺がお前と抱き合うような状況になってんだ??」
(む、無理があったかな・・・・?)
やましいことをしたこともあって、覚悟を決める。
ところが、次に発せられた言葉で事態は変わる。
「あ、そっか!」
「え?」
けげんそうにした後で、瑞希お兄ちゃんが私から手を離す。
それに合わせ、私も思わず体を起こす。
(ど、どうしよう!嫌われた!やっぱり、悪いことはするもんじゃない!神様、ごめんなさーい!)
自分の体を抱きながら震えていたら、そんな私に瑞希お兄ちゃんが言った。
「悪い、凛!俺、寝ぼけて凛に抱き付いたんだな!?」
「へ?」
(寝ぼけて・・・・?)
「うわー、ビビった!一瞬、凛が俺を襲ってた?とか思ったけど、そんなわけないよな~」
「み、瑞希お兄ちゃん・・・?」
「皇助みたいに、顔に落書きするはずねぇーし、モニカみたいに目覚めのチュー狙ったりしないもんな~ほっぺだけど!」
「はう!?」
(目覚めのチュウ!!)
その言葉で、胸が貫かれる。
〔★射抜かれたのは、良心だ★〕


