起きてこない可愛い王子様に、もう一度唇を寄せる。
目を開けたまま、チュッとくっつける。
顔を近づけて、彼の顔の横に手を付ける。
カギをかけているということで、心は油断していた。
(あったかい・・・・コーヒーのにおいもする・・・)
でも少しだけ、よくわからない薬品の味もした。
きっとこれは、蛇塚の用意した毒だろう。
(これもこれで毒だけど、一番の毒は瑞希お兄ちゃん・・・・)
罪な人。
魅惑的なあなたは、蜜にも似た毒の味がする。
カフェインのほろ苦さと、緊張感のある甘さ。
中毒になるぐらい愛しい。
(あー・・・・・告白したい・・・・)
そんな思いで、開けていた眼を閉じる。
彼のぬくもりに、自分がしていることを忘れる。
触れてはいけない禁断の行為を、もっと続けたいと思う。
でも、幸せの時間は長くは続かない。
ガバッ!!
「っ!!?」
突然、下から両手が伸びてきた。
(バレた!?)
反射的に体を起こしたが、それよりも早く、背中に両手を回された。
(――――――――――捕まった。)
イコール、怒られる!!
「はわわわ!ご、ごめんなさーい!!」
この緊急事態に謝る。
出来心なんです!
つい、見とれてしまって、誘惑に負けまして!
ごめんなさい!!
ごめんなさい瑞希お兄ちゃんっ!!
〔★謝るぐらいなら、最初からしてはいけない★〕
顔中熱くしながら、目の前の彼に謝ったが――――――――
「んあ?りーんー?」
「え・・・・・・?」
私が見た瑞希お兄ちゃんは、半目と半口開きで、こちらを見上げていた。
不思議そうな顔で私を見ている。
「み・・・・みずきおにいちゃん・・・・?」
「んんっ!今、何時だ・・・・?」
私の体にからめた手を、利き手だけ離しながら言う。
その手でポリポリと頭をかきながら聞く
「俺、どれぐらい寝てた?」
「え・・・?えーと、1時間ぐらい・・・」
「そんなもんかー?あんまり、寝た気がしないな~」
寝ぼけているのか、ぼんやりとした目で言う瑞希お兄ちゃん。
(もしかして・・・・・・・・・気づかれてない・・・・・?)
うん、気づいてないでしょう、コレ!
気づいてたら、怒るもん!
私のキスで目覚めたなら、「男同士でなにしてるっ!」て怒るはずよ!
キスして怒らないのは、眠り姫だけよ!
眠り姫の王子だって、一歩間違えば犯罪だもんね!
〔★あちらは人命救助だ★〕


