なぜ、彼らがこんなに親切にしてくれるのか今でも謎だった。
(1度会ったことがある瑞希お兄ちゃんならともかく、出会ったばかりの私を助けてくれた。)
誕生日プレゼントを横流しされたと怒っていた烈司さんも、優しくなっている。
モニカちゃんと百鬼の第一印象は変わらないけど、獅子島さんに関してはいつまた追い出すというかわからない。
(それでも、瑞希お兄ちゃんが私を構うから・・・・彼らも親切にしてくれるのかな・・・?)
最初は複雑だったけど、最近はそれでもいいと思う。
瑞希お兄ちゃんのおまけだとしても、嬉しかった。
「・・・それだけ、瑞希お兄ちゃんは好かれてるんだよね。」
パイプいすに腰掛け、眠っている彼をのぞき込む。
カーテンが敷かれた部屋を、蛍光灯が照らしている。
もう少し待てば、太陽が出てくるだろう。
「瑞希お兄ちゃん・・・・」
「スー・・・・・」
寝ている彼は、眠れる森の王子様。
2人きりの空間にドキドキする。
真夜中ということで、余計に自分の心臓の音がよく聞こえた。
口紅なんてつけてないはずの赤い唇を見ながら思う。
(この唇と、私はキスしたんだ・・・)
「キス、されたんだ・・・・・・・・・・」
つぶやいて、思い出して、顔が熱くなる。
(瑞希お兄ちゃん・・・・!)
もっと近くで見たくて、顔を寄せる。
起きる気配がない。
それをいいことに、顔を近づける。
その動作に合わせ、私の口元のバンダナが彼の顔に触れる。
「ふにゅ・・・・・?」
「っ!?」
(起こした――――――――――!?)
慌てて身を起こせば、彼は顔をかいてからまた寝始める。
起きなかった。
(危ない、危ない。)
気をつけなきゃ。
(バンダナは邪魔だわ。)
そっと、首の後ろに手を回してほどく。
ベットサイドに置いて、もう一度覗き込む。
瑞希お兄ちゃんへと前かがみになる。
気持ちよさそうに、彼は寝ている。
(かわいい・・・・)
可愛いもだけど。
(愛しい・・・・・・・)
そんな思いで、顔を近づける。


