彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





〈なんだコラ!?見せつける気か!?自慢してんのか!?クソちんちくりん!?〉




これに、画面の中の黒子ファイブの皆さんがニヤニヤしてる。

田渕の滑舌が良いのは、哀れな男の声を聞くために、百鬼が首を絞める力を抜いているからだろう。




「・・・。」



迷惑なヤクザを見る。




〈見せもんじゃねぇぞコラ!瑞希の体に触りやがって!エロいこと考えてんだろう!?〉


「・・・。」



本当にうるさい。




〈ああ!?なに黙ってる!?オメーも、瑞希も、このま―――――――――〉



ブッ!


「あ。」




伸ばした指で、ボタンを押す。

それで電源の落ちる音と、間の抜けるような瑞希お兄ちゃんの声がした。




「えっ!?凛さん!?」

「電源落した!?」

「なんで!?」


「・・・・・つい、うるさくて。」


「「「「「オイ!?」」」」」



〔★凛は映像を止めた★〕





「うるさいって、おいおい!」

「普通切っちゃうか、凛!?」

「うはははは!しかも、会話の途中やないかーい!?」

「え?ダメでした?円城寺君、カンナさん、ヤマト?」

「相手はヤクザですよ、凛さん!?」

「じゃあつけます。」


「「「「「「え?」」」」」」


プっ!




〔★凛は再起動させた★〕




よくないと言われたら、直すしかないでしょう。

だから、電源をもう一度つけた。


つけたんだけど・・・・





〈ぶはははは!わーはははは!凛助め!マジで切りやがったぞ!〉

〈きゃははは!可愛いわぁ~凛ちゃん!あの不安そうな目をしながら消しちゃう姿!いいわぁ~!〉

〈ははは!ヤクザの会話聞かずにきるとか、凛たん、天然モード全開だぜ~!〉

〈やれやれ。見せる相手がいないのはつまらんが、じわじわと苦しんでもらおう。〉

〈くっ!貴様ら!どういう教育をして――――〉

〈貴様には教育が必要そうだな、田渕組長・・・!?さて、この調子で吸える呼吸を少なく―――――――〉



ブッ!



「あ。」

「凛・・・」





もう一度、ボタンを押す。

電源が落ちる音と、誰かの間抜けな声と、瑞希お兄ちゃんの声がした。





「凛・・・・」

「・・・。」



無言で見つめ合う私と瑞希お兄ちゃん。

私を見ながら瑞希お兄ちゃんが聞いてきた。





「・・・なんで、消しちゃったかな・・・?」

「聞いたらいけないことを・・・・聞いた気がしまして・・・・・・」





〔★凛は映像をキャンセルした★〕