彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




反社会的組織の人間相手に、どこか楽しむような口調で獅子島さんはしゃべる。





〈田渕組長、私をにらんでも無意味ですよ。時間稼ぎで待っていても、あなたの優秀な部下達は誰も来ませんからね・・・?〉

「え!?」

〈なにをした・・・!?〉





驚く私や組長の問いに、彼はフッと息を吐きながら言った。





〈教えてほしければ、『私はダメな人間のクズです』と3回言ってみろ。もちろん、『真田瑞希さんに、かかわることを完全にやめます』との誓いも立てろ。〉

「超ドS―――――――――!?」

〈誰が言うか貴様!!〉



〔★高慢(こうまん)さに、みがきがかかっている★〕




完全に、相手を見下しながら冷静に言う姿。




「獅子島先輩、こわ!」

「ばか、4号だろうカンナ!?」

「なんなんすか、これ!?」

「うははははは!」



「瑞希お兄ちゃん・・・・どうなってるんです?」


「・・・黙って見てろ。」




そう言うと、ふらつく体で私の隣に来る瑞希お兄ちゃん。

それに気づいた田渕が、私達を見ながら言った。




〈瑞希!今なら、お前が謝れば、許してやる!俺の物になれ!〉

「お断りだ、下種野郎。俺は俺だけのものだ。」

「そうです!瑞希お兄ちゃんは、お前なんか嫌いですよ~あっかんべー!」




しつこい相手に目の下を指でのばし、瑞希お兄ちゃんへと抱き付く。





〈おい、瑞希から離れろ、ちんちくりん!〉





これに、田渕が嫉妬むき出しで叫ぶが――――――





「おいで、凛。」


「瑞希お兄ちゃん!?」





抱きつかれた本人が、私を抱き寄せてくれた。




〈離れろ、瑞希!許さんぞ!〉




私と瑞希お兄ちゃんの触れ合いに、異常なぐらい、過剰な反応をするヤクザの親分。






「ごめんな、凛。俺のせいでさらわれかけて。」

「あ・・・」






さわぐヤクザの声が、まるで聞こえてないように私へ語り続ける王子様。