反社会的組織の人間相手に、どこか楽しむような口調で獅子島さんはしゃべる。
〈田渕組長、私をにらんでも無意味ですよ。時間稼ぎで待っていても、あなたの優秀な部下達は誰も来ませんからね・・・?〉
「え!?」
〈なにをした・・・!?〉
驚く私や組長の問いに、彼はフッと息を吐きながら言った。
〈教えてほしければ、『私はダメな人間のクズです』と3回言ってみろ。もちろん、『真田瑞希さんに、かかわることを完全にやめます』との誓いも立てろ。〉
「超ドS―――――――――!?」
〈誰が言うか貴様!!〉
〔★高慢(こうまん)さに、みがきがかかっている★〕
完全に、相手を見下しながら冷静に言う姿。
「獅子島先輩、こわ!」
「ばか、4号だろうカンナ!?」
「なんなんすか、これ!?」
「うははははは!」
「瑞希お兄ちゃん・・・・どうなってるんです?」
「・・・黙って見てろ。」
そう言うと、ふらつく体で私の隣に来る瑞希お兄ちゃん。
それに気づいた田渕が、私達を見ながら言った。
〈瑞希!今なら、お前が謝れば、許してやる!俺の物になれ!〉
「お断りだ、下種野郎。俺は俺だけのものだ。」
「そうです!瑞希お兄ちゃんは、お前なんか嫌いですよ~あっかんべー!」
しつこい相手に目の下を指でのばし、瑞希お兄ちゃんへと抱き付く。
〈おい、瑞希から離れろ、ちんちくりん!〉
これに、田渕が嫉妬むき出しで叫ぶが――――――
「おいで、凛。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
抱きつかれた本人が、私を抱き寄せてくれた。
〈離れろ、瑞希!許さんぞ!〉
私と瑞希お兄ちゃんの触れ合いに、異常なぐらい、過剰な反応をするヤクザの親分。
「ごめんな、凛。俺のせいでさらわれかけて。」
「あ・・・」
さわぐヤクザの声が、まるで聞こえてないように私へ語り続ける王子様。


