彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





みんなの奮闘(ふんとう)もあって、状況は私達へと有利になる。

その様子に、画面の中の人がうるさく騒ぐ。





〈なにしてる!?そんなチビ共相手に本気出せ!〉

「田渕・・・!」





そう言ったのは、おヤクザさん。

イライラした声で、画面の中から怒鳴りつける。





〈早くガキ共を、瑞希を捕まえろ!〉

「あなたもしつこいですね!?」


〈黙れ、ちんちくりん!貴様・・・このままで済むと思うなよ!?〉

〈お、親父さん!〉


〈なにが瑞希の弟だ!瑞希に弟はいない。俺をだませると思うなよ!だがそれは、どうでもいい!〉

〈社長!〉


〈凛道蓮・・・貴様は俺を本気で怒らせた。これからの人生、終わったと思え。〉

〈組長!〉


〈必ず、見つけ出して殺し、貴様を瑞希の目の前でブチ殺――――――――――〉

〈田渕組長ぉ!!〉



〈うるせぇ!さっきからなんだ!?〉





田渕の会話に、絶え間なく彼を呼びかける部下らしい男達の声。

それに目を吊り上げた田渕が反応すれば―――――――――――







〈活動停止のお知らせだろう?〉








今までとは違う、落ち着いた返事が返ってきた。

怒る組長の背後に、なにかが映った。






(え?今、なにかが動いて―――――――?)






思わず、体が固まる。




〈なっ!?〉



それは田渕組長も同じ。

目を見開き、自分の体を後ろに向けようとしたけど・・・・






〈ぐえ!?〉






振り返れずに、固まる。

私達に顔を向けたまま、変な声を出して止まった。





〈わははははははは!〉






代わりに、楽しくてしょうがないという感じの声が響く。

スカイプから響くのは、聞き覚えのある声。





(まさか、これって、嘘・・・・!?)





聞こえるはずのない声、いるはずのない存在。






「も、百鬼さん!?」

〈わははははははは!り~んすけぇ~!!〉


〈ぐええ・・・!?〉







組長の背後から、ヌッとあらわれたのは、田渕の首を絞める太い腕。

多分、百鬼さんの腕だと思う。





(絶対、百鬼だ・・・・!)



というか、あんな笑い方する人は他にいない!!



(私のこと、『凛助』って呼んだし!)




〔★決め手はそこだ★〕