集団のボスがやられると、敵はもろく崩れやすい。
「へ、蛇塚先輩が!」
「またやられた!?」
そう言って、動けそうな連中が動きを止める。
だからと言って―――
「なにボケっとしてんだ!?オラ!」
「ウラ!」
「うははははは~!」
彼らが攻撃の手を止めるわけがない。
(とはいえ・・・私の周りから、人が引いて行くのは早い・・・。)
あれほど、チビチビと言っていたのに、波が引いたように遠ざかる。
遠巻きにされる。
〔★力関係のわかる表現だ★〕
(これは・・・瑞希お兄ちゃんを誘拐したゲスとは言え、これぐらいで許してあげてもいいかな?)
なんとなく、みんな強いので、これ以上戦闘を続けても気の毒な気がした。
そう思って、戦闘停止を呼びかけようとした時だった。
「か、可児!」
ふいに、敵の1人が叫ぶ。
「助けてくれ、可児!」
「羽柴!?」
そう言った男に、見覚えがあった。
可児君が呼んだ名前で思い出す。
(あれは・・・・東山高校で、可児君を見捨てて逃げた元仲間!?)
間違いない!
あの時の薄情な奴!
〔★凛はインプットしていた★〕
思わず、戦う仲間をよそに見入る。
もちろん周囲を警戒しながら。
これに羽柴も、周囲を気にしながら小声でささやく。
「た、助けてくれよ、可児。俺達、もう戦えねぇよ!」
「それが、最後の言葉か・・・・!?」
「やめてくれよ!オメーらしくないぜ!?俺ら、小学校からのツレだろう!?」
その言葉で、可児君の動きが止まる。
一瞬だけど、羽柴の顔が安心したように見えた。
よくないことを考えてそうな、にやけ顔だった。
「お、俺も・・・先輩方ににらまれて、しかたなく、お前にひどいことしちまって・・・」
「羽柴・・・」
「お前ならわかるだろうっ!?わかってくれるだろう!?俺ら、友達だろう!?」
そう言って、可児君へと手を伸ばす羽柴。


