彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





可児君が龍星軍の特服を着たことで、みんなの士気も上がる。





「妬けるな、凛。」

「瑞希お兄ちゃん?」




ホッとしていれば、背後からささやかれる。



「お前、性別に関係なくモテるな?」

「??そうですか?」

「はは!無自覚かよ?凛のそういうところ、俺は好きだぜ?」

「す、好きなんてそんな~!瑞希お兄ちゃんなんか、良いところばかりで・・・好きすぎます。」

「嬉しいこと言うな?それじゃあ、俺と凛は両思いだな?」


(両思い!?)


「なぁ、凛?」

「は、はい・・・!」





最高の褒め言葉ならぬ、甘いお言葉。

うつむきそうになるのを、我慢して目だけで彼を見る。

そんな私に優しく微笑むと、前髪へと手を伸ばす瑞希お兄ちゃん。

その手が、クシのように髪に触れた時。





〈離れろ。〉





穏やかな空気を消したのは、その一言。

低くて、耳障りな雑音。




「え!?この声、どこから・・・!?」

「チッ!忘れてた・・・・」

「瑞希お兄ちゃん?」

「パソコンだ、凛さん!テーブルの上の!」

「可児君。」




言われて、テーブルの上を見る。

気づかなかったが、パソコンが置いてあった。

近くにいた蛇塚が、弾かれたようにそちらを見ながら叫ぶ。





「お、叔父さん!」


(おじさん??)


「叔父さん、待ってこの展開!これ、俺も、わけわかんなくて~」


〈黙れ。〉





言い訳みたいなことを言っている蛇塚に、低い音程の声が告げる。






〈黙れガキ・・・!俺がしゃべってんだぞ・・・・!?〉

「ご、ごめん・・・・!」


(素直に謝った・・・・?)





それは、大きい声じゃなかった。

普通の声だったけど、音程は低め。

そして、不機嫌丸出しの声。


その正体を見て、ヤッパリこいつかと思った。






「田渕組長・・・」






ムカつく敵の名前をつむぐ。

嫌だったのは、相手も同じだったみたいで、見下すような目で言ってきた。




〈そっちの俺も知ってるのか、ちんちくりん?〉


「あん?温泉入れねぇくせに、なにゆで上がってんだ、スケベジジイ・・・!?」




黒幕の登場に、メンチを切って対抗する。




「凛・・・」


「さすが凛さん!ヤクザ相手に強気ー・・・漢だ!」

「あいつ、瑞希さんのことになると、人が変わるな。」

「オメーもだろう、大河?」

「うはははは!どっちも、瑞希はんがらみでヒートアップかいな~!」




〔★両者は火花を散らしている★〕