可児君が龍星軍の特服を着たことで、みんなの士気も上がる。
「妬けるな、凛。」
「瑞希お兄ちゃん?」
ホッとしていれば、背後からささやかれる。
「お前、性別に関係なくモテるな?」
「??そうですか?」
「はは!無自覚かよ?凛のそういうところ、俺は好きだぜ?」
「す、好きなんてそんな~!瑞希お兄ちゃんなんか、良いところばかりで・・・好きすぎます。」
「嬉しいこと言うな?それじゃあ、俺と凛は両思いだな?」
(両思い!?)
「なぁ、凛?」
「は、はい・・・!」
最高の褒め言葉ならぬ、甘いお言葉。
うつむきそうになるのを、我慢して目だけで彼を見る。
そんな私に優しく微笑むと、前髪へと手を伸ばす瑞希お兄ちゃん。
その手が、クシのように髪に触れた時。
〈離れろ。〉
穏やかな空気を消したのは、その一言。
低くて、耳障りな雑音。
「え!?この声、どこから・・・!?」
「チッ!忘れてた・・・・」
「瑞希お兄ちゃん?」
「パソコンだ、凛さん!テーブルの上の!」
「可児君。」
言われて、テーブルの上を見る。
気づかなかったが、パソコンが置いてあった。
近くにいた蛇塚が、弾かれたようにそちらを見ながら叫ぶ。
「お、叔父さん!」
(おじさん??)
「叔父さん、待ってこの展開!これ、俺も、わけわかんなくて~」
〈黙れ。〉
言い訳みたいなことを言っている蛇塚に、低い音程の声が告げる。
〈黙れガキ・・・!俺がしゃべってんだぞ・・・・!?〉
「ご、ごめん・・・・!」
(素直に謝った・・・・?)
それは、大きい声じゃなかった。
普通の声だったけど、音程は低め。
そして、不機嫌丸出しの声。
その正体を見て、ヤッパリこいつかと思った。
「田渕組長・・・」
ムカつく敵の名前をつむぐ。
嫌だったのは、相手も同じだったみたいで、見下すような目で言ってきた。
〈そっちの俺も知ってるのか、ちんちくりん?〉
「あん?温泉入れねぇくせに、なにゆで上がってんだ、スケベジジイ・・・!?」
黒幕の登場に、メンチを切って対抗する。
「凛・・・」
「さすが凛さん!ヤクザ相手に強気ー・・・漢だ!」
「あいつ、瑞希さんのことになると、人が変わるな。」
「オメーもだろう、大河?」
「うはははは!どっちも、瑞希はんがらみでヒートアップかいな~!」
〔★両者は火花を散らしている★〕


