ぼんやり考えていたこともあり、聞こえた声はまさに不意打ちだった。
〈聞こえるか凛道?〉
「し、獅子島さん!?」
モヤモヤしていた彼からの通信。
〈侵入できたか?〉
「は、はい!おかげさまで。」
こちらの動揺を悟られないように、声を整えながら答える。
そんな私に、今度は背後から声がかけられる。
「なんだ、凛道?伊織さんか!」
「うははは!電波来たかー!?」
「円城寺君、ヤマト、静かに!」
追いついた二人にそう言うと、階段の途中で走るのをやめてから言った。
「獅子島さん、全員入れました。計画通りです。」
〈ならばよし。凛道、あれは持ってるか?〉
「はい、ヤマトが・・・」
「うはははは!これ!?」
私がうなずけば、にぎやかな関西人が背中から『あれ』を出す。
〈持ってるならいい。それで蛇塚の心を砕いてしまえ。〉
「わかりました。ヤマト、しまってください。」
「喜んでー!うはははは!」
「あと、出来れば声のボリューム下げてね。」
「ぅははははは~~~~!こう?」
「ごめん、発言する回数を減らしてください。」
〔★あまり変わりがなかった★〕
ヤマトの会話を制限したところで、電話口からため息が漏れる。
〈やれやれ、先が思いやられるメンバーだが・・・凛道、必ず瑞希を救い出すように。〉
「わかってます!二度と、人さらいが出来ないように蛇塚達を叩きのめします!」
〈フン、わかってるならいい。悪いが俺は、これから用事がある。電話はここまでだ。〉
「え!?瑞希お兄ちゃんがピンチなのに!?」
〈だからなんだ?〉
薄情な発言をする相手に聞き返せば、彼はいつも通りの口調で返してきた。


