彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




ぼんやり考えていたこともあり、聞こえた声はまさに不意打ちだった。




〈聞こえるか凛道?〉

「し、獅子島さん!?」




モヤモヤしていた彼からの通信。



〈侵入できたか?〉

「は、はい!おかげさまで。」



こちらの動揺を悟られないように、声を整えながら答える。

そんな私に、今度は背後から声がかけられる。



「なんだ、凛道?伊織さんか!」

「うははは!電波来たかー!?」

「円城寺君、ヤマト、静かに!」



追いついた二人にそう言うと、階段の途中で走るのをやめてから言った。



「獅子島さん、全員入れました。計画通りです。」

〈ならばよし。凛道、あれは持ってるか?〉

「はい、ヤマトが・・・」

「うはははは!これ!?」



私がうなずけば、にぎやかな関西人が背中から『あれ』を出す。



〈持ってるならいい。それで蛇塚の心を砕いてしまえ。〉

「わかりました。ヤマト、しまってください。」

「喜んでー!うはははは!」

「あと、出来れば声のボリューム下げてね。」

「ぅははははは~~~~!こう?」

「ごめん、発言する回数を減らしてください。」



〔★あまり変わりがなかった★〕




ヤマトの会話を制限したところで、電話口からため息が漏れる。




〈やれやれ、先が思いやられるメンバーだが・・・凛道、必ず瑞希を救い出すように。〉


「わかってます!二度と、人さらいが出来ないように蛇塚達を叩きのめします!」


〈フン、わかってるならいい。悪いが俺は、これから用事がある。電話はここまでだ。〉


「え!?瑞希お兄ちゃんがピンチなのに!?」


〈だからなんだ?〉




薄情な発言をする相手に聞き返せば、彼はいつも通りの口調で返してきた。