作戦成功に、他のみんなもホッとしたように声を出す。
「うははは!ありがとうございます!」
「助かりましたぁ~マダム~!」
「さすがです!地獄に仏ですよ!」
「本当に、ご迷惑おかけしました!」
「あざーす!ほら、お前もお礼を言え!」
「あ、ありがとうございました・・・!」
円城寺君にうながされ、お礼を言ったけど・・・
―お前が小動物らしく振舞えば、大体の女は言うことを聞くからな、凛道?―
(なにか、しゃくぜんとしない・・・)
〔★凛はモヤモヤしている★〕
複雑な思いの私に、ドアを開けてくれたおば様はさらに複雑な発言をする。
「いいのよ、お互い様だから。ねぇ、あなた・・・私とお話したあなた!」
「ぼ、僕ですか?」
「そうよ。いつからこの地区の担当?今度、荷物をお願いしたいんだけど?」
「え!?ぼ、僕短期バイトなので~!」
「あら、そうなの?じゃあ、次にバイトする時は、私のお店にいらっしゃい。はい、名刺。」
そう言うと、頼んでもないのに胸ポケットに紙を入れるおばさん。
気のせいか、その顔はピンクになっている。
「あ、あの~こういうことは、仕事中なので~」
「うふふふ!気が向いたらでいいのよ?何回まで行くの?エレベーターのボタン、押してあげ―――――――」
「結構です。」
私が断る前に、私の後でドスの利いた声がした。
「冷蔵庫が大きくて入らないので、階段使います・・・!すぐ上ですから、お気遣いなく・・・!」
「カ、カンナさん・・・?」
笑顔でメンチを切りながら言う友達。
その眼は私を見ると、「さっさと話を切り上げろ!」と言っていた。
彼女の態度に、おばさまも露骨に嫌な顔をする。
「まぁなにあなた!?それが、顧客に向かっての~」
「す、すみません!僕のせいで、遅くなってるんです!すでにタイムオーバーで!いずれ、ご連絡しますので、お許しを!」
「あらまぁまぁ!いいのよ~そんな!またね、坊や!」
「はい♪親切な方、ありがとうございます~!」
何とか機嫌をよくして、笑顔を振りまきながら階段へと向かう私達。
先頭である私がドアを開け、後ろのヤマトがしめたところでホッとする。
そして、みんなで持っていた冷蔵庫を、無言で床におろす。
これで息抜きタイムとなった。


