彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




「うう~お、おもーい!進まなぁーい!」



荷物を持ったまま、情けない声を出す。



「あら?どうなさったの?」



それで、マンションの入り口まで来ていた女性が声をかけてきた。



「あなたバイトさん?宅急便さんが、こんなところでどうしたの?」



そう言って、私に近づいてきたのはスポーツフェアを着た中年女性。

整えられた髪と、ただよってくる香水だけで、お金持ちと言えた。

いるのは彼女一人だけ。

この人が、獅子島さんが言うターゲット。



「困るわ~道の真ん中で止まられたら。」

「ご、ごめんなさい!」



困り顔で行ってくる相手に、小動物モードで私は言った。




「みんなで運んでいたんですが・・・無理をしてしまいまして・・・!」

「無理?」

「はい。この冷蔵庫・・・6人で運ぶのは大丈夫ですが、誰か1人が手を離すと落しちゃうってことに気づいてしまって・・・!」

「あら?それで、みんなで固まってたの?」

「はい・・・邪魔してすみません・・・・!」



頑張って小動物モードで、おばさんに語り掛ける。



〈お前が小動物らしく振舞えば、大体の女は言うことを聞くからな、凛道?〉



・・・・という獅子島さんの作戦。



(正直どうなんだろう・・・)




小動物らしいオーラを出せって言うけど、私人間なんですが?

ということを言ったところで、『俺に不服か?』って、ドS丸出しで言うから逆らえなかったし・・・・



(おのれ、誘拐犯!覚えてなさいよ・・・・!)



〔★凛の怒りが増した★〕




眼鏡の先輩の指示に疑問を感じながら、おばさまにお願いしてみた。

うまくいくはずないと思ったんだけど・・・・





「あら~そうならそうと言っていいのに!待っててね、坊や。」

「え?」



ニッコリ笑うと、いそいそとおばさんはインターホンへと向かう。

そして、住民だけしか知らない暗証番号を押して扉を開けてくれた。






ウィーン、ガガー!




「さぁ、どうぞ。入りなさい、坊や達。」


(ええ―――――――――!?本当に、開けてくれた!?)





〔★開門となった★〕