「真田さん!ご無事ですかっ!?」
ほこりが舞う中で、可児の声が響く。
不意打ちということで、多少声が乱れていたが、言葉はしっかりしていた。
「俺は平気だ!可児、オメーは!?」
「大丈夫です!ですが、こいつは一体―――――!?」
「落ち着け、可児!お前、そこから動くなよ!」
「わかりました!」
冷静に返してくる相手に、やっぱり凛は見る目があったと思う。
(つーても、何が起きたんだ!?)
ここまで、わずか十数秒の出来事。
喧嘩にしても何にしても、先手を打つことが肝心。
状況を把握しようと周囲へと視線を動かす。
ただし、そうしようと思ったのは、俺だけじゃなかった。
〈菊千代、なにがあった!?〉
俺達のやり取りを、黙って画面の中で見ていたストーカー親父もしゃべりだす。
それに完全に戸惑いながら蛇塚も応える。
「叔父さん!ドアが飛んできて!」
〈見てたからわかる!瑞希は無事か!?〉
「ほんっっっと、真田瑞希が好きなんだね!?ちっとは、可愛い甥の心配しやがれくそッたれっ!」
〈うるせぇ!ヤクザもんが甘っちょろいこと言うじゃねぇ!誰の仕業だ!!?〉
「僕達です。」
「え!?」
〈あん!?〉
(『僕達です』って・・・・!?)
田渕の声に答える声。
呆然とする俺の前に、人影が現れる。
パラパラと、ドアの破片が落ちている場所からゆっくりと姿を現したのは――――――
「こんばんは。宅配サービスです。」
「「「「「宅配!?」」」」」
「はあ!?宅配だぁー!?」
(なんだこれ・・・・!?)
宅配業者の制服を着た男女が数人出てきた。
全員、帽子で目元を隠しているので顔はよく見ない。
サングラスをかけてる奴もいる。
その中でも特に、真ん中にいる人物が深く帽子をかぶっている。
呆然とする俺らの視線を受けながら、深く帽子をかぶった奴が言った。
「こちら、蛇塚菊千代様のお宅ですよね?荷物の引き渡しと、引き取りに参りました。」
「はああ!?身分証明はどうした!?」
「うははははは!これかのぉー!?」
そう言って、一番デカい奴が何か差し出す。
「あ!?チョー君!?」
「チョー君じゃねぇか!?」
(蛇塚の仲間!?)
3分で帰って来いと言われた奴だった。


