彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





「真田さん!ご無事ですかっ!?」




ほこりが舞う中で、可児の声が響く。

不意打ちということで、多少声が乱れていたが、言葉はしっかりしていた。



「俺は平気だ!可児、オメーは!?」

「大丈夫です!ですが、こいつは一体―――――!?」

「落ち着け、可児!お前、そこから動くなよ!」

「わかりました!」



冷静に返してくる相手に、やっぱり凛は見る目があったと思う。





(つーても、何が起きたんだ!?)





ここまで、わずか十数秒の出来事。

喧嘩にしても何にしても、先手を打つことが肝心。

状況を把握しようと周囲へと視線を動かす。

ただし、そうしようと思ったのは、俺だけじゃなかった。




〈菊千代、なにがあった!?〉




俺達のやり取りを、黙って画面の中で見ていたストーカー親父もしゃべりだす。

それに完全に戸惑いながら蛇塚も応える。





「叔父さん!ドアが飛んできて!」

〈見てたからわかる!瑞希は無事か!?〉

「ほんっっっと、真田瑞希が好きなんだね!?ちっとは、可愛い甥の心配しやがれくそッたれっ!」

〈うるせぇ!ヤクザもんが甘っちょろいこと言うじゃねぇ!誰の仕業だ!!?〉





「僕達です。」



「え!?」

〈あん!?〉



(『僕達です』って・・・・!?)






田渕の声に答える声。

呆然とする俺の前に、人影が現れる。

パラパラと、ドアの破片が落ちている場所からゆっくりと姿を現したのは――――――







「こんばんは。宅配サービスです。」


「「「「「宅配!?」」」」」


「はあ!?宅配だぁー!?」



(なんだこれ・・・・!?)







宅配業者の制服を着た男女が数人出てきた。

全員、帽子で目元を隠しているので顔はよく見ない。

サングラスをかけてる奴もいる。

その中でも特に、真ん中にいる人物が深く帽子をかぶっている。

呆然とする俺らの視線を受けながら、深く帽子をかぶった奴が言った。






「こちら、蛇塚菊千代様のお宅ですよね?荷物の引き渡しと、引き取りに参りました。」


「はああ!?身分証明はどうした!?」


「うははははは!これかのぉー!?」






そう言って、一番デカい奴が何か差し出す。





「あ!?チョー君!?」

「チョー君じゃねぇか!?」


(蛇塚の仲間!?)





3分で帰って来いと言われた奴だった。