「こいつ、前からムカついてたんです。」
「いなくなって、せいせいしたし!」
「1人だけ妙に熱血で、そのテンションにはついてけなかったんすよ!」
「実際、迷惑だったもんな?」
その話に、可児は何も言わない。
黙ったまま、表情も変えずに蛇塚を見ている。
言い返してもいいことを言っているのに、言わない。
なにも、言わない。
(いや、言おうとしてないんだ。)
悔しさや虚しさ、信じていて裏切られた現実を、こいつは受け入れたんだ。
「はは!そういうことかー?」
呆れる思いで笑えば、上手く声が出た。
〈瑞希!?〉
「声が戻ったのかよ!?」
「凛の気持ちがわかったぜ、可児。」
「え?」
俺の復活に驚く外野。
そいつらを無視して、俺は縛られている『後輩』に言った。
「現役離れてずいぶん経つが・・・凛の考えは正しいぜ、可児。お前をSHIELDから引き抜いて正解だ。」
「はあっ!?引き抜いただと!?」
驚く蛇塚や、元SHIELD達を見ながら言った。
「そうだ。引き離したって言ってもいい。栄養のない空っぽの土の中にいたんじゃ、綺麗な花も咲かないだろう?」
「俺が空っぽだって言いたいのか・・・!?」
「実際そうだろう?蛇塚、オメーらは可児の価値をわかっちゃいない。」
「価値!?」
「お、俺の価値!?」
「そうだ。」
戸惑う敵と可児に告げる。
「凛は、可児の良さをわかったから、オメーらが可児を大事に扱わないことに腹を立ててたんだ。お前らは可児を、邪魔者として、追い出したつもりでいるみてぇーだが、逆だ。」
「「「え?」」」
「見捨てられたのはオメーらだ!お前らSHIELDは、可児に捨てられたんだよ。」
俺の言葉に、当たり前の事実に、あいつらは固まっていた。
平気そうにしてるのは、しかめっ面になった蛇塚ぐらいだ。
その様子がおかしくて、小馬鹿にする意味で笑いながら言った。


