「悪いね、瑞希ちゃん・・・!ボコボコにするのは、田渕組長に任せるぜ。殺されないように、頑張ってプレーしなよ?」
「ボコボコに・・・・凛に・・・ま、け、るのは、てめ、だ・・・!」
「ははははは!そりゃあ、楽しみだ!凛道がどう出るか!?瑞希お兄ちゃんを人質に取られてて、どう反撃するか見ものだぜ!?」
「黙れ!凛さんは勝つ!あっと驚かせる方法で・・・お前らを倒す!」
「だってさ、おじさん!良いギャグ持ってるだろう、凛道の仲間は!?」
可児を笑い飛ばし、田渕へと同意を求めるバカガキ。
(奴の言う通りだ・・・凛は、俺に弱い。俺が捕まってると知れば――――――)
―瑞希お兄ちゃん♪―
(俺のために、捕まることも・・・・!)
〈瑞希。〉
そう考えていたら呼ばれた。
見上げれば、うっすらと笑っている男が画面に映っている。
〈菊千代のリクエストもある。凛道は優しく連れて来てやろう。〉
「てめぇ・・・。」
〈お前も馬鹿だな、瑞希?素直に俺のところに来ていれば、可愛い弟は肉の塊になって下水道に流されることもなかったのにな?〉
「そんときゃ・・・・いっしょ、に、流れる・・・までよ・・・!」
〈強情がっ!!〉
バン!という音に合わせて、画面の中の景色がゆれる。
〈こんなに俺が愛してやってるのに、まだ意地を張るのかっ!!?〉
(誰も頼んでねぇ!)
〔★ほしくない、一方通行の愛だ★〕
迷惑顔をすれば、田渕も顔をゆがめた。
〈なんだその顔は!?そんなに、凛、凛、凛と言うなら、お前の目の前でなぶり殺してやる!〉
うんざりするぐらい、ストーカーのうるさい声が部屋中に響く。
〈お前の気を引いたガキを、この手でズバズダにしてやるからな!?〉
「上等・・・りんは、俺が・・・絶対に・・・・!」
(凛は俺が守る!!)
「さえねぇ!凛さんには、手を出させねぇ!」
そう思ったのは俺だけじゃなかった。
俺のいる場所の反対側の壁にもたれている男も、同じ気持ちだった。


